軽くて錆びにくい『アルミ』

軽くて錆びにくい

アルミは身近な素材です。
その特徴としては①軽い、②錆びにくい、③熱を伝えやすい、④リサイクル性が高い、などが挙げられます。

重さは鉄のおよそ3分の1。錆びにくいということは衛生的でもあるということなので、ジュースやお酒の缶にもよく使われています。
また、1円玉も純度100%のアルミ製です。温めたり冷やしたりすることも短時間でできます。鉱石からアルミを作る際は電気分解する過程で大量の電力を消費しますが、一度アルミニウムになってしまえば新造するときの約3%のエネルギーでリサイクルすることが可能です。

ちなみにアルミ缶が現在のように普及したのは、アメリカでアルミニウムの特徴を活かしたイージー・オープン・エンド(飲料缶の蓋が手で開けられる)とDI(ドロー・アンド・アイアニング。缶胴を深絞りする)の技術開発が行われたことがきっかけだと言われています。
もちろん、建材としてもアルミは様々に利用されています。

例えばアルミサッシは規格集中生産により高精度なものが大量に普及しています。アルミサッシ以外にも、アングルやパイプ、アルミルーバ、スクリーン、スパンドレル、パンチング、アルミ笹木など、多方面で重宝されています。
他にも半導体や導電体として使われたり、調理器具としても利用されています(熱伝導性が高いため)。さらに軽量で加工性が良いため、新幹線をはじめとする鉄道車両でアルミ車体が多く採用されています。

アルミにも弱点がある

アルミは大変優れた金属ですが、万能ではありません。例えばアルミサッシは建て付けが容易で耐候性にも優れていますが、断熱性が低く結露が生じやすいという欠点があります。このため最近では改良された木製サッシや樹脂サッシが増えています。

また、アルミはほぼ錆びない金属として知られていますが、まったく錆びないわけではありません。ホコリ・チリ・排気ガス・砂・すす・潮風などによる汚れが付着すると、湿気や雨の影響で汚れが腐食性水溶液となり、錆が発生します。

また、強アルカリ性の溶剤が付着しても錆びますし、他の金属と長期間接触するとやはり錆の原因になります。さらに排気ガスが直接かかった場合もガス内の酸化物が雨水と反応し、腐食や塗膜の剥がれにつながることがあります。このようにアルミサッシも錆びる可能性があるので、小まめに汚れを取り除いたり、水滴を拭き取ったり、水洗いしたりする必要があります。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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