外壁についての資格『窯業サイディング塗替診断士』

外壁にまつわる多彩な資格

外壁材と言われると一般の方はモルタル壁や特定のサイディング材を思い浮かべるかもしれませんが、他にもタイル壁やALC壁などの種類があり、サイディング材でも窯業系・金属系などの区別があります。当然、外壁についてはたくさんの資格が存在します。今回は「窯業サイディング塗替診断士」をご紹介します。

劣化・漏水調査からアフターメンテナンスまで

窯業サイディング塗替診断士とは窯業サイディング材及び新生屋根材を診断する専門家のことです。窯業サイディング塗替診断士には、住宅の品質確保の促進等に関する法律、長期優良住宅促進法、住宅瑕疵担保履行法を基本として、以下に関する技術・知識を習得していることが求められ、劣化・漏水調査からアフターメンテナンスまで一貫したサポートが可能な資格とされています。

①住宅の耐久性向上
②資産価値の回復・向上に役立つ建物劣化診断
③雨水浸入を防ぐ屋根・外壁の劣化診断
④最適な工事仕様

窯業サイディング塗替診断士は国家資格・公的資格ではありませんが、受講資格として塗装・工事実務経験5年、または一級・二級・木造建築士、一級・二級建築施工管理技士、一級・二級塗装技能士であることが求められます。資格の取得には認定講習会の受講が必要であり、合格しても資格は3年ごとに更新しなければなりません(更新講習あり)。資格の認定は一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会が行っています。
窯業サイディング塗替診断士になると、協会のホームページに紹介されます。他にも会報を通じた最新技術情報の提供や、実地診断の出張サポートなどの支援を受けることが可能になり、各種研修会・講習会の参加資格も得ることができます。

窯業サイディングの現状

1990年以降に新築した3階建て以下住宅の外壁の75%は窯業サイディング。大手ハウスメーカーでも、一部を除いて窯業サイディングを採用していることがほとんどです。2000年以降に製造された窯業サイディングの場合、正しい通気工法で施工し、適正なトップコートやシーリングのメンテナンスを施せば、50年程度まで寿命を伸ばすことが可能だと言われています。住宅を長く使用し、かつ資産価値を維持する(もしくは向上させる)ためのメンテナンスにおいて力を発揮するのが窯業サイディング塗替診断士です。

資格試験はなし

窯業サイディング塗替診断士になるための試験はありません。認定講習会を受けることで資格が得られるので、先に述べたように実務経験や他の資格を取得できる実力を備えていることが求められます。
(参考:「ニューライフアカデミー」ホームページ)

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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