外壁塗装の費用・見積もりの内訳を把握していますか?

実は塗料代は塗装工事費の一部でしかない

塗装工事材料

外壁塗装は、作業としては「壁に色を塗る」だけなので、料金も簡単に決まりそうな気がしますが、実際にはそうではありません。丁寧な下地処理や塗り重ねを行わねばなりませんし、工事によっては人手もかかり、足場代も必要になります。一般的に、外壁塗装の内訳は次のようになると言われています。

  1. 塗料・養生資材代…2割
  2. 足場代…2割
  3. 人件費…3割
  4. 営業費用…3割

実際の見積もりには「平均平米単価」など、細かい項目が記載されていると思います(できればCADなどで壁の面積を事前に把握しておきましょう)。特に大事なのは、「塗料の種類」と「塗り回数」です。この2つが明記されていない見積書を出してくる業者は、候補から外した方が良いでしょう。

費用の内訳の中で最も変動が大きいのは塗料代です。どのようなグレードの塗料を使うのかで塗料代は変わってきます。主な塗料の特長と耐用年数は次の通りです。

  • 光触媒(耐用年数約15年~)
    太陽光と雨によるセルフクリーニング効果がある高耐久塗料。
  • フッ素(耐用年数約15年~)
    長期間に渡り艶引けや変退色がなく、最高レベルの耐久性を確保。
  • ピュアアクリル(耐用年数約15年~)
    防水に必要な高弾性と耐久性を併せ持つ塗料。
  • シリコン(耐用年数約7~10年)
    価格と機能のバランスが良く、カラーバリエーションが多い。
  • ウレタン(耐用年数約5~7年)
    価格と機能のバランスが良く広く使われているが、あまり長持ちしません。
  • アクリル(耐用年数約3~5年)
    価格が安いので塗り替え前提で使うのに向いています。外壁には不向き。
  • クリア(耐用年数約5年~)
    下地の色や模様を活かすことができ、汚れ防止に効果がありますが、防水機能が弱い塗料です。

値段は耐用年数とほぼ対応しており、最近では価格と機能のバランスが良く、比較的長持ちするシリコン塗料が人気です。
光触媒塗料やフッ素塗料などは高価ですが、塗装工事全体に占める塗料代の割合はわずかですので、思い切ってグレードの高い塗料を選んでも良いでしょう。

もう一つ気を付けたいのは外装塗装の保証です。外壁塗装は非常に高価な工事なので、アフターサービスも考慮する必要があります。
保証には「自社保証」「団体や組合の保証」「塗料メーカー保証」がありますが、肝心なのは「どの部分を保証してくれるのか」「どういう状態を保証してくれるのか」ということです。特に木部、鉄部の保証が含まれているかに注意しましょう。「外壁の剥がれを20年保証」などと言っても、外壁そのものから塗料が剥がれ落ちることは滅多にありません。また、団体や組合の保証の場合は、外壁塗装業者が倒産しても、団体や組合の保証を代わりに受けることができます。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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