スポーツ庁設立で広がる防犯スポーツプロジェクト

子供達に災害を“シミュレート”させておく

警察官

引き続き、NPO法人ファンズアスリートクラブの理事長・井上秀憲さんと、防犯芸人集団ツナコメ代表の箸休めサトシさんにお話を伺います。

井上 最近では防犯だけでなく防災も子供達に教えられないかな、と考えて取り組んでいます。正確には「減災」なんですけど。例えばおばあちゃんと孫がいて、おばあちゃんが怪我した時、孫が無理に手を引っ張ったことで二次的被害が出たりしている。起き上がれない人がいたら、板や破れない布に乗せてあげてみんなで運んであげるんだよ、というのを体験させてあげたりしています。

斉藤 親も勉強になりますよね。子供にとっては体感することもできますし。

井上 地震が起こった時、これダメ、あれダメと言う大人の方もパニクっていると思うんです。だから子供達にその場で伝えようとしても伝わらない。ならば前もって体験しておけば、こんなことをしちゃいけないんだ、しなければいけないんだ、ということが理解できて、その分、親のストレスも減りますよ。パニクっている親がきついことを言ったら、子供達はますます萎縮しますよね。「手伝おうとしたら怒られちゃった」と。それでまたパニックになるぐらいなら、やらせておこうかな、と。一番下は、幼稚園の年少クラスにもやらせています。人間の重さだと運べないので、人形を使ったんですけど……。

箸休め 人形のデザインが怖すぎて、子供達が泣いちゃった(笑)。

井上 人形をマットに乗せて、8人ぐらいの子供達で運んでみようとしたら、人形の顔を見て泣いちゃって。

箸休め あれ、顔は必要なかったですよね(笑)。

井上 このプロジェクトは、たまにやりすぎちゃう(笑)。

斉藤 こうやって色々なことを伝えようとして、防犯スポーツプロジェクトは日々進化しているわけですね。スポーツ庁ができてから、さらに様々な所からお声がかかるようになった。変化も生まれているようですね。

井上 小学校から呼ばれるようになりましたね。川崎市の事例で言うと、わくわくプラザという放課後クラブみたいなものがあって、そこ主催の催しに呼ばれたり、区役所の方から親子で取り組めるものをやってくれと依頼が来たりしました。大学生を中心に、ボランティアもすごく増えています。福祉系学科の子達がお手伝いをしたいと言ってくれて。特に女の子が多いです。

斉藤 伝える側も受け取る側も、防犯スポーツプロジェクト自体の価値を見出してくれて、みんなで広げようとしているんですね。地域スポーツの価値も変わりますね。

井上 区役所と教育委員会は切り離されていたのですが、スポーツ庁ができたことによって合同の事業が増えました。

斉藤 日本はこれから自然災害が増えると言われています。自分の身は自分で守るという自覚を持つという意味では、子供達も防犯スポーツプロジェクトに参加することで、もしかしたら大人より意識が高くなるかもしれません。

井上 川崎、浦安、埼玉といった近郊都市では、大人の男性は仕事に行って家にいないんです。平日の昼間に災害が起こったら、子供達はお父さんが帰ってくるまで自分達で何とかしなければならない。

斉藤 身近な所でこういったイベントがあれば参加してほしいですね。

井上 自治体や警察がやっているイベントでは、ツナコメも活躍しています。

箸休め 最近では「防犯戦士」というのもできましたよ。神奈川県警に三人いて、トラセンジャー、フリコマセンジャーと、僕がやっているお笑い防犯戦士・ツナコメン(笑)。

斉藤 コントに磨きをかけないと、芸人じゃなくなりますよ!(笑)

井上 神奈川県警の動画を見ると、色々な芸人さんの活動がわかります。

斉藤 本日はありがとうございました。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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