災害時に必ずつながる無線“SmaTalkⅡ”とは?

みんなで一気に情報を共有できるツール

SmaTalkⅡ

大きな災害が起こると携帯電話が機能しなかったり、町内会や自治会の防災連絡網が使えなかったり、行政の防災無線が混乱するなど、通信網が遮断されることがあります。今回はそんな災害時にもつながる無線を開発した株式会社城山の安藤和正さんにお話を伺いました。

斉藤 災害時にも効果が発揮できる無線「SmaTalkⅡ(スマトークツー)」を今日はお持ちになっていただいています。携帯電話のような、非常にコンパクトな機械ですね。これは現在、市販されているものなのでしょうか?

安藤 はい、すでに発売しております。

斉藤 災害時には電話がつながりにくいというのは、3・11の時にも実際に起こりました。私も家族に電話したら、全然つながりませんでした。同じ経験をなさっている方もたくさんいると思います。そもそも、なぜつながらなくなるのでしょうか。

安藤 皆さんが持っている携帯電話は基本的に音声回線を使っております。これは人がたくさん集まる場所では規制の対象になってしまうのです。我々が開発したSmaTalkⅡは、音声回線ではなくデータ回線を使用します。

斉藤 無線にも様々な種類がありますが、普通の無線とどこが違うのでしょうか。

安藤 普通の無線は話せる距離がせいぜい100mm、業務用無線で4~5kmです。SmaTalkⅡはNTTのFOMA回線、NTTが入るエリア内であればどこでも会話ができます。極端に言えば、北海道と沖縄でも会話が可能です。しかも無線ですので、一人から全員に通信を送ることができます。

斉藤 画期的に違いますね! 限られたエリアで通信できるのが普通の無線、SmaTalkⅡは電話がつながる所ならどこでも話ができるんですね。実際にどんな感じでつながるのかやってもらいましょう。こちらは麻布台のラジオ日本、東京タワーのすぐ近くなのですが、株式会社城山がある品川の事務所と話してみます。普通の無線ではつながらない距離です。

安藤 こちら安藤です。東京営業本部、聞こえますか、どうぞ。

実際に会話を試みる。成功。クリアな音が伝わる

斉藤 かなりクリアな音ですね! 防災時にはどんな使い方が有効なのでしょうか。

安藤 防災時は「何が危険なのか」についてみんなが情報を共有しなければなりませんが、携帯電話では一人ずつ電話をしなければなりません。一つの情報を得ようとしている間に家族や地域の方が折り返し電話をしてくると、着信履歴は残りますが、“かけた・かけてない”という入れ違いになってしまうことが多々あります。SmaTalkⅡは一人から一斉に送信できますので、100人でも200人でも同時に情報を共有できます。

斉藤 安否確認情報なども非常に効率良く伝わるわけですね。これは一番大事なところですね。

矢野 そうですね。私は色々な地域の人達とお話をするのですが、地域での無線の使い方について教えていただけますか。

安藤 自治会やマンションの管理組合などで、火災等が起こった場合にどこに避難したら良いのかという初動の案内を速やかに行う時も、この機器は威力を発揮しますね。あと、建物内や地下でも通話できるのが大きな違いです。

斉藤 地下でも! じゃあ、携帯電話や普通の無線では通信できないエリアでもつながるということですね、距離の違いだけではなくて。

安藤 はい、そうですね。

斉藤 この画期的な無線をどういう形で広めていきたいと思いますか?

安藤 地域からは離れてしまうのですが、まず企業の危機管理対策ですね。あとは行政、消防など。地域では先ほど申し上げたマンションの管理組合などや、大きな建物を管理する管理会社や警備会社でご利用いただければ、と。ホテルなども対象になると思います。

<この項、つづきます!>

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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