塗装業界の国家資格、一級塗装技能士とは?

その“姿勢”まで見られる一級塗装技能士試験

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塗装のプロを認定する資格の一つに、一級塗装技能士があります。

各都道府県では毎年塗装技能士の試験が行われています。一級塗装技能士の場合は、ベニヤにパテを打ち、図面を書きます。これを罫書き(けがき)と言います。また、各試験会場では色見本を渡され、それに合わせて調色しなければなりません。そして、調色した塗料を使って筋交い刷毛(すじかいばけ)という道具で一つの作品を仕上げます。別室ではスプレーの吹き付けやローラー塗装のテストも行われ、全体を見て審査がなされます。

試験では作業態度も審査の対象になります。武道で言えば技と心があるようなものです。どんなにきれいな作品を仕上げたとしても、減点される場合があります。例えば、片膝をつくぐらいなら良いのですが、両膝をついて作業をするのはNGです。もちろん、お尻をつけて座り込んで作業してはいけません。

昼休み時間には食事を取るために教室から出されます。「作業は一切中止です」と言われるのですが、審査員は私達がいなくなった後、作業スペースをきちんと片付けているか、散らかしたままにしているかもチェックします。日頃の現場での行いまで見るんですね。日頃からきちんと片付ける人は、試験の時も片付けるのです。片付けがされていないと実際の現場では物につまずいたりして危ないですし、工事を頼んだ人も現場でだらしないと不安になってしまいます。

一級塗装技能士は誰でも取れる資格ではありませんので、工事を頼む際は一つの目安になるでしょう。
家の一部など、簡単な工事であれば、愛着のある自宅のリフォームに自分で挑戦してみるのも良いでしょう。しかし、少しでも手に余ると思ったら、資格を持ったプロに依頼した方が短期間で望む仕上がりを得ることができます。

バスター矢野のワンポイントアドバイス

最近では季節に関係なく台風が来ることが増えています。建物にとって大敵である雨風が激しくなるのが台風ですね。

台風の時は物が飛んでくることがあります。これは竜巻の時も同じですが、窓ガラスに防犯フィルムを貼っておくと良いでしょう。泥棒が金槌で叩いても割れないようになるので、飛んでくる物からも窓ガラスを守ってくれます。万が一割れたとしても飛散しないので、怪我をしなくて済みます。特にCPマークが付いている物を選ばれると良いでしょう。CPマークは警察や消防署が推奨している製品に付けられているものです。もちろん、飛ばされやすい物は外に置かない、窓ガラスの近くに置かないといった配慮も欠かせません。植木鉢や物干しグッズなどに注意しましょう。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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