木造耐震診断のプロ『一般耐震技術認定者』

耐震補強は優先順位が難しい?

言うまでもなく、日本は天災が多い国です。特に地震に関しては、誰もがいつ起こってもおかしくないと思っていることでしょう。しかし、家の安全性能に自信を持っている人はどれだけいるでしょうか。そもそも「絶対に倒壊しない建物、倒れない保証が付いた家」は現実的には実現不可能。そうなると「いかに建物の1階部分が潰れないようにするか」など、優先順位と費用対効果を考えた耐震補強が必要になってきます。その手助けをするのが「一般耐震技術認定者」です。

確かな知識を持った診断者が必要

「耐震診断」の中には、図面をコンピューターに取り込んで判断するものがあります。それはそれで有益なのですが、やはり現地をしっかり調査してほしいもの。「一般耐震技術認定者」は日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)から独自の認定を得ている資格です。受験者には「1級・2級・木造建築士の資格を有する者、あるいは木造建築工事業の実務経験が7年以上であると所属する会社が認めた者」という条件が設けられています。さらに「耐震診断の基礎知識」と「耐震診断の評価と現地調査について」の講習会を受講し、最後に考査試験に合格しなければ「一般耐震技術認定者」の資格を得ることはできません。

・「耐震診断の基礎知識」講習会内容
地震による木造住宅の倒壊原因
重心、剛心、偏心率の考え方
建物に生じる沈下の種類と要因
地盤液状化のメカニズム
基礎クラックの種類と原因・対処法
耐震診断法の位置づけと適用範囲
柱の接合部とN値計算法の考え方
既存住宅インスペクションガイドライン

・「耐震診断の評価と現地調査について」講習会内容
診断の調査項目と評価方法
現地調査の流れと実務
診断書の説明・提案方法
新耐震木造住宅検証法の解説
知っておきたい耐震診断の現場判断
劣化事象の判断基準
診断で間違えやすい注意点
耐震基準適合証明書の発行基準

木造耐震診断のプロフェッショナル

木耐協は全国約1,100社の工務店・リフォーム会社・設計事務所などによって構成されており、国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度にも登録されています。木耐協の加盟店に耐震診断を依頼すれば、必ず「一般耐震技術認定者」による診断が受けられます。
「一般耐震技術認定者」は木造住宅専門の知識を習得した木造耐震診断のプロフェッショナルです。「一般耐震技術認定者」は国土交通省住宅局監修の『木造住宅の耐震診断と補強方法』に基づいて現地で地盤や基礎、壁の量などをチェックしたあと、専門ソフトで分析した報告書を提出してくれます。耐震改修を進める上で非常に有益な助言が期待できるでしょう。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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