新時代のリフォームで気を付けたいこと

多能工に頼り切るのは危険!

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前回は一人で複数の業種をこなす多能工が増えていることをお伝えしました。人件費や待ち時間を減らせるので、工期を短くできるというメリットがあります。

ただし、多能工だからと言って何でも知っているわけではありません。例えばリビングとキッチンをつなげてリビングキッチンにしてください、という案件の場合、壁を取り除いたりするのですが、この時に取ってはいけない柱を除去したり、耐力壁を取ってしまったりする場合があります。壁を取る工事のように構造躯体をいじる場合は必ず耐震診断を受けてください。

前回から見てきたように、リフォームを取り巻く環境は様変わりしています。最近の工事では機械が主流になり、大工さんは金槌をほとんど使いません。釘はコンプレッサーで打ち込みます。ノコギリも、丸ノコに取って代わられています。カンナも使いません。新建材は扱いがだいぶ簡単になっています。家があっという間に建つ時代です。

昔の大工さんは「墨付け、切り込み」という作業ができると一人前と言われていましたが、今はコンピューターでプレカットすることもできます。
ただし、リフォームの場合は新築とは異なり、ある物に合わせて作っていかなければなりません。ノコギリやカンナなども出番はありますし、新築よりも腕の差が出やすいのではないでしょうか。

良い大工さんの見分け方は簡単です。それは、現場がきれいであること。散らかしたままでは危なくて仕方がありません。散らかった現場に限って養生がいい加減で床を傷つけたりします。優れた大工さんは整理整頓が上手です。料理人と同じですね。

リフォームも“試着”が可能な時代になりましたので、以前よりも納得のいくリフォーム工事が実現しやすくなっています。ぜひ、理想通りのリフォームを成し遂げてください。

☆☆バスター矢野のワンポイントアドバイス☆☆

市民住まい向上委員会のリーフレットは緑色を基調としています。緑色には心理学的に「安全」の意味があります。信号機の青色も、「青」と言いながら緑色ですよね。緑色は安全に意識を向けさせる色なのです。

リーフレットは二つ折りになっています。最初の折りをめくると「安全で安心して」と書かれていて、「安全」と「安心」がキーワードになっている内容を紹介しています。具体的には、防犯・防災に関する活動が載っています。

残りの折りを開くと上に書かれた見出しが「安全で安心して/暮らす事が出来る/住まいの実現」とつながります。地震やリフォーム、雨漏りのことなどが書かれています。このリーフレットも行政施設に置かせていただいていますので、興味を持たれた方はご覧になってください。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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市民住まい向上委員会では年間5,000人以上の方の相談を受けています。