鋼材二次製品の一種『カラー鋼板』

身の回りのあらゆるものに使われる鋼板

住宅やアパートと言えば木造のイメージがありますが、マンションなどは鉄筋コンクリート構造や鉄筋鉄骨コンクリート構造が多く見られます。
そして屋根や屋上、外壁に目を向けると、スレートや樹脂、モルタルなど、用いられる材質は様々です。
そのうちの一つに鋼板(こうはん)と呼ばれる金属板があります。

カラー鋼板とは、表面塗装を施した鋼板です。よく使われるのは住宅、工場、倉庫などの屋根や外壁。金属屋根や金属サイディングと呼ばれています。
ただしカラー鋼板がそのままの状態で用いられることはなく、一般的には加工業者によって成形されたものが出回っています。

特徴としては軽量で加工性が高いこと、防水性にも優れていることが挙げられます。1㎡当たり5㎏のカラー鋼板で作った屋根であれば、重さは瓦葺きの1/8以下。耐震性の向上にも寄与すると言われています。
カラー鋼板は外装材として用いられるだけでなく、内装材として用いられることもあります(業務用大型冷蔵庫、クリーンルームなど)。また、収納家具やオフィス家具、パーティションパネルなどにも使用されています。

定期的なメンテナンスは必須

鋼板は耐久性も優れているのですが、外装材として使われる場合は風雨にさらされます。このため塗装によって塗膜でコーティングし、錆を防いでいます。もちろん様々なカラーリングも楽しめますので、一石二鳥。ただし、塗装は劣化しますので、塗膜の剥離や変退色といった不具合が起きれば再塗装が必要になります(鋼板は熱を蓄えやすい性質があるので遮熱塗料や断熱塗料を使うと効果的です)。

また、塗装が劣化したら錆にも用心しなければなりませんし、金属板なので飛来物などによって変形することもあり得ます。カビや藻、排気ガスなどによる汚れとも無縁ではありません。錆が進行すると鋼板には穴が空きますので、雨漏りの原因になります。以上のような理由から、カラー鋼板には防錆材などを使った定期的なメンテナンスが必要です。

近年は屋根材等としてガルバリウム鋼板が人気となっています。ガルバリウム鋼板とはアルミ亜鉛合金めっき鋼板のことで非常に錆びに強く、20~25年の耐久年数を誇っています。しかし、やはり塗装しているケースが多いので、色褪せが起これば美観を守るためにメンテナンスが必要になります。
また、傷が付けば錆びやすくなりますし、錆びた鉄釘などが原因でもらい錆が発生するケースがありますので、やはり定期的なメンテナンスが必要なことに変わりはありません。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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