多彩な種類がある羽目板

羽目板

加工法・接合法も様々

羽目板とは壁や天井に張る板のことです。材質や加工法などにより様々な羽目板がありますが、基本的にはパネル式で連続して張ることができます。
羽目板には杉やヒノキなどが使われますが、節の数や大きさによってデザインの変化を楽しむことができます。基本的に節が多い方が安価な傾向がありますが、天然木の味わいを楽しみたい人は節ありを選ぶことも多いのだとか。節がまったくない「無節」は値段が高価になります。ちなみに節のあるなしは羽目板の強度とは関係ありません。
羽目板は新築だけでなくリフォームにも使いやすい建材であると言われます。下地に釘を打つ場所さえあれば、手軽に木の壁を作ることができます。
羽目板の加工法には、いくつか種類があります。

・相杓り(あいじゃくり)加工
初心者でも簡単に施工ができる加工法です。相杓りとは板状の物の半分の厚さをしゃくり取ってつなぎ合わせる手法で、断面から見るとL字型に見える板を組み合わせて重ねるので、隙間ができなくなります。ただし、構造上フローリングなどのように荷重がかかる部分には向いていないため、外壁や内壁、天井などに使われます。
施工後は表面が平らになるため水が継ぎ目にたまりにくくなります(故に外壁に適しているとも言われます)。表面から釘を打ち込むため釘の頭が丸見えになりますが、木に下書きをして打ち込む位置を整えるときれいに仕上がります。

・本実(ほんざね)目透かし加工
実(さね)とは板と板をつなぎ合わせる時に削り取った部分(細長い突起になる凸部)のこと。相杓りの半分しゃくり取った部分のことも実と呼びます。板の端を凸型(雄実)と凹型(雌実)にして組み合わせるのが本実です。本実目透かし加工では、下になる凹型板の接合部に隠し釘を打ち、ボンドで糊付けを行います。接合部には隙間ができます。釘の頭が見えないので、仕上がりは大変きれいです。構造上やや弱いので、主に床以外の場所に使われます。

・本実突き付け加工
凸型の板の接合部に隠し釘を打って固定したあと、ボンドで糊付けします。羽目板と羽目板の間に隙間がなく、がっちり固定されるので、壁だけでなく床にも使われる加工法です。また、隠し釘を使うのできれいに仕上げることができます。

・雇い実(やといざね)継ぎ加工
両方の板を凹状に削り、別の部材(雇いメチ棒)を入れて固定したものを雇い実継ぎと呼びます。雇い実接ぎ(はぎ、矧ぎ)とも呼ばれます。板と板を接着するための加工法で、テーブルや本棚、間仕切りなどに使われます。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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