ゲリラ豪雨で被害を防ぐには

特にベランダは要注意!

ゲリラ豪雨

近年ゲリラ豪雨が増えており、多くの方が「朝晴れていたので傘を持たずに出かけたら、帰りに土砂降りに遭った」という経験をしています。最近では「東南アジアのスコールのようだ」とも言われます。実は、ゲリラ豪雨は「雨が想定以上だった場合に報道各社や民間の気象会社が使い始めた言葉」であって、明確な定義はありません。例えば天気図で雨が予想される場合は豪雨であっても「ゲリラじゃないよね」と言われることもあります。ただし、ゲリラ豪雨は激しい雨が1時間以上にわたって降り続け、大きな災害をもたらす可能性がある気象状態。突然降り出す、いわゆる夕立は数十分で止むので、大きな災害を起こすことはありません。長時間にわたって激しい雨が続くゲリラ豪雨は、当然住宅にとっても大きな負担になります。今回はゲリラ豪雨対策についてお話しします。

ゲリラ豪雨を建物の観点から見ると、「普段の雨なら問題ない箇所に、長時間にわたって大量の雨が降る現象」と言うことができます。特に気を付けたいのはベランダです。ベランダには排水口が設置してありますが、葉っぱなどのゴミが詰まっていたり、プランターなどで見えなくなって徐々にゴミがたまっていることがよくあります。それでも普通の雨ならば次第に水が抜けて蒸発するのですが、ゲリラ豪雨の場合は一気に雨が降り注ぐので、ベランダがプール状態になることも。この状態でベランダにひびが入っていたりすれば、当然雨漏りの恐れがあるのですが、それ以前にサッシの高さ以上に水が溢れてしまえば、室内に浸水してしまいます。また、ベランダには排水口以外にオーバーフロー用の穴が空いているものですが、空いていないお宅もあります。このような住宅では排水が間に合わない恐れもあるので、少なくとも排水口は綺麗にしておきましょう。

ゲリラ豪雨で被害に遭う前に、自分が入っている火災保険も確認しておきましょう。正確に言えば、雨漏りは火災保険の支払い対象になっていません。建物の老朽化による雨漏りは「予想されうる損害」なので対象外なのです。しかし、突風・強風・台風・豪雨などの強い風で破損した場合は火災保険が効きます(風災補償)。ゲリラ豪雨による雨漏り・浸水も、風災補償が適用される場合があります。もちろん、雨漏り・浸水の状況、その時の風の強さなどによって保険が適用されるかどうかは変わってきます。ゲリラ豪雨で被害を受けたら、「これは保険の適用外だよね」と自分で判断せずに、一度保険会社や専門家に相談することをお勧めします。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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