夏の暑さと屋根棟板金の釘抜け・ビス抜け

夏の暑さと釘の意外な関係

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今回は、季節が夏になったら気を付けるべき屋根のポイントについてご紹介します。
まず、スレート瓦を採用しているお宅の場合、棟板金など、板金が使用されていることが多いと思います。こういった構造の屋根は、釘が抜けやすくなります。ステンレス製の釘が用いられているのですが、金属は熱を持つと伸びる性質があります。そして、日が落ちて涼しくなると縮む。つまり、伸び縮みを繰り返すわけです。すると次第に釘が浮き、抜けることになります。

屋根なのでなかなかチェックが難しいとは思いますが、釘が抜けたことに気づかないでいた場合、秋の台風シーズンになると板金が飛ばされてしまいます。もちろん、雨漏りの原因にもなります。

抜けかけの釘を金槌で押し込んでも、またすぐに抜けてしまう場合があります。釘が抜けかけた時は少し大きめのスクリュービスに打ち替えましょう。
屋根の塗り替えをしたお宅を拝見しますと、釘が抜けたまま塗装している場合も散見されます。釘を打つのは塗装ではなく、板金の仕事になるので、スルーされがちなのです。必ずしも悪気があって放置しているわけではありません。そもそも、塗装の職人さんが提げている腰袋に金槌を入れていることはあまりないのです。すると釘の不具合に気づいても、足場から降りて金槌を取りに行かねばならないので、後でやろうと思っているうちに忘れてしまうこともあるのだと思います。塗装作業に従事する人達に、釘のことまで見てくれるようにお願いすると良いでしょう。あるいは事前に釘の抜けや浮きを確認できた場合は、塗装の見積もりに釘の交換や板金の補修が含まれているかチェックしてみましょう。

釘のチェックというのは些細なことですが、それだけに見過ごされがちなところでもあります。プロにお願いしたのだからと任せっぱなしにせず、チェックできるところはチェックしておきましょう。

なお、前回は熱い空気を家の中に溜めない方法として、1階と最上階の窓などを開けるようにお勧めしましたが、特に独身の方にもう一つアドバイスをしておきます。暑い部屋に帰ってきたら、まずは窓を開けて、天井に向けて扇風機を回しましょう。これだけでかなり空気が入れ換わるはずです。その上でエアコンをつけましょう。帰っていきなりエアコンをつけるよりも、まずは扇風機で熱い空気を入れ換えた方が効果的です。部屋にこもった嫌な臭いも追い出せるので、一石二鳥でしょう。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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