硬貨にも使われる優れた金属『銅』

硬貨にも使われる優れた金属

銅と言えば、みなさんはまず10円硬貨を思い浮かべるでしょうか。色といい質感といい、いかにも「銅」というイメージがありますね。実際、10円硬貨の95%は銅で構成されています。しかし、実は500円玉、100円玉、50円玉、5円玉にも銅は使われているのです。

500円玉…銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%
100円玉…銅75%、ニッケル25%
50円玉…銅75%、ニッケル25%
10円玉…銅95%、亜鉛3~4%、すず1~2%
5円玉…銅60%、亜鉛40%

日常的に手で触る硬貨に採用されている銅には、優れた特性がたくさんあります。

・電気をよく通す
銅は抜群に高い導電率を持つため、電子機器では欠かせない材料となっています。

・熱をよく伝える
銅は熱伝導性が高いので、調理器具にもよく利用されています。

・殺菌作用がある
銅は病原性大腸菌O-157などに対する高い殺菌効果が実証されている金属です。

・加工しやすい
銅線を曲げたりするとわかりますが、銅には脆さがありません。曲げ加工・絞り加工などが容易に可能な加工性があります。

・美しい
美しい光沢や色彩も銅の魅力です。建材としても様々な建物を彩っており、例えば迎賓館の屋根材には銅板が使われています。

・耐食性に優れる
銅の表面には保護被膜ができ、腐食の進行を防ぐ効果があります。屋根や雨樋などに使用されることが多いのはこの特性によります。また、銅板は空気に触れると酸化して次第に色が変わり、最後は美しい緑青(ろくしょう)へと変化します。

高耐久でリサイクルも容易

先に屋根材や雨樋などに使用されると述べましたが、屋根材の場合は高価なため使用される建築物は限られています。
しかし鍋や茶器などのキッチングッズには多用されており、家電製品に至ってはエアコン・テレビ・オーディオ・DVDプレイヤー・ノートパソコン・携帯電話・デジタルカメラ・ゲーム機など、使われていない製品を探す方が難しいほどです。銅には耐久性が高いと同時にリサイクルもしやすいという長所もあります。

また、銅は必須微量元素と呼ばれ、栄養機能食品成分にも数えられ、粉ミルクにも添加されています。
なお、銅の錆の一種である緑青は有害なものだという誤解が広まりましたが、東京大学医学部が行った動物実験により無害同然の物質であることが確認され、1981年から動物実験に着手した厚生省(現在の厚生労働省)も緑青は「無害に等しい」と認定しています。
(参考:「一般社団法人日本銅センター」サイト)

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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