外壁等の色の選び方

色は傾向とバランスで考えよう

色

住宅と言えば、一般的には白か茶色っぽい色の外壁が多いかと思います。もちろん奇抜な色を選んでいる住宅もありますが、住宅街では似たような色の家が並ぶ傾向があります。これは街の雰囲気や色合いなどに配慮しているからです。基本的には、色見本にある色なら何でも選べるので、家を建てる際には迷うと思います。リフォームで塗り替える時、色を変えたくなる場合もありますので、今回は色選びの基本をご紹介しましょう。

実は、世の中に溢れているたくさんの色も、大別すると黄色味を帯びた色と青色味を帯びた色の2つしかありません。あとは白と黒(無彩色)。カタログを見ても、大体この4系統の色が載っています。
さらに、配色を考える際は「まとまった配色」と「際立つ配色」に分かれます。まとまった配色であれば同系色、際立つ配色ではわざと対比色を使います。大ざっぱに言うと、色の分類はこれぐらいしかないのです。

あとはバランスです。ベースカラー、アソートカラー、ポイントカラーから考えます。ベースカラーは面積の約7割を占める色です。部屋の中であれば壁の色になりますね。アソートカラーは約25%を占める色。例えば床の色です。ポイントカラーは窓枠など、アクセントになる色。これらを同系色で塗るとまとまった印象になります。逆に、例えばポイントカラーに対比色を用いれば、際立った印象を演出することができます。

一般的に、真っ白や真っ黒な外壁は敬遠されます。白く見える外壁も、よく見るとアイボリーだったりベージュ系だったりして、純粋な白ではないことがあります。住宅の外壁は確実に汚れるものなので、真っ白な外壁だと汚れが目立ちやすいのです。黒は窯業系サイディングボードなどによく見られる色で、汚れは目立ちませんが、傷が付くと白く際立つ傾向があります。ただし、白・黒にも様々な種類があります。どうしても白・黒の外壁を選びたい場合は、業者さんと話し合ってできるだけ汚れの目立たない色にするべきでしょう。

真っ赤、真っ青、真緑などの原色系の建物は人の目を引きますが、実は経年劣化によって色が薄れていく傾向があります。原色系の色が劣化すると、元の色が濃かった分、他の色より古びて見えてしまいます。原色系の色を選ぶ場合は、できればきちんとしたメンテナンスまで依頼できる業者さんに塗装をお願いしましょう。メンテナンスを丁寧に行えば、建築当時の美しさを長く楽しむことができるはずです。

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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