障がい者が住みやすい家とは

右手が使えない人の生活を考える

サッカーグラウンド

アンプティサッカーという競技をご存じでしょうか。障がい者競技の一種で、足を切断した人が杖をついてプレーをし、キーパーは片手を失った人が守るというサッカーです。パラリンピックではブラインドサッカーが有名ですが、日本ではまだ知名度がありません。しかし、世界では広がっていて、アンプティサッカーのワールドカップがあるほど。競技人口も多く、日本でも注目されています。2014年には日本もワールドカップに出場し、11位の成績を残しました。今回はアンプティサッカーの選手の生活体験から、障がい者にも住みやすい家について考えてみました。インタビューに応じてくれたのは、FCアウボラーダ川崎のゴールキーパー・平賀智行選手です。

平賀 僕は先天性の、右手指の欠損・奇形です。小学校3年生から普通のサッカーをやっていて、学生時代はフットサルもやりました。縁あってアンプティサッカーにのめり込んでいるところです。僕の状態ですと、親指と小指があるので、ある程度の物だったら持つことができます。先天性ということもあって、特段不便を感じたことはないのですが、駅の改札では、右手が奇形なので、切符を左手で持って改札を通ることに若干煩わしさを感じることはありますね。生まれた時からこうなので、特に困った!という記憶はないです。手摺は……そうですね、老後のことを考えると、手摺は右側にあることが多いので、左側にもあると嬉しいな、とは思います。ドアも右手を想定してノブがある所が多いので、そこが可変だったりすると嬉しいですね。

平賀選手の場合は左手でほとんどの作業を行っています。ドアノブに関しては、右手で開けやすいように左側についているものが多いです。ただ、立地によっては反対側についている所もあります。賃貸物件であれば、ドアがどちら開きなのか確認すると良いでしょう。マンションは鉄のドアなので、交換は難しいです。できれば現地に見に行って確認しましょう。
廊下の突き当たりの部屋などは、避難などする時のことを考慮して、ドアが逆手についている場合があります。そういう部屋を探しても良いでしょう。

手摺に関しては、確かに右側に付いていることが多いですね。賃貸では接着剤で付けたりするのも難しい。ただ、今は突っ張り棒のような手摺など、様々な製品が出ています。介護保険を使うような年齢になったら、相談してみると良いでしょう。

<この項、続きます!>

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[コラム著者]矢野克己
矢野克己
一般社団法人市民住まい向上委員会代表理事、「住まいのトラブルバスター」(ラジオ日本)パーソナリティ。主な経歴として建設業界30年、建物診断約7,000棟以上、施工実績約4,000棟、セミナー・相談会等の講演や研修等実績300回以上。
市民住まい向上委員会とは「防犯・防災・住宅性能の向上等を一般市民に対し普及、支援活動を行う」事を目的として活動する非営利団体で、安全で安心して暮らせるような住まいの実現を目指し、啓発活動やセミナー講演、イベントなどを行うだけでなく、相談会・メール相談・面談なども行っております。

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